ご挨拶

ニューズ・コーポレイション
森田芳光事務所 三沢和子

この度森田芳光生誕70年、没後10年の節目に(ほぼ)全作品のブルーレイボックス、書籍「森田芳光全映画」が発売される事になり、併せて国内外の特集上映やテレビ放映も実施して頂くことになりました。

森田作品はブルーレイ化されていない物、DVDにもなっていない物、既に市場に無い物もあり、上映の機会も限られており、これで皆様にお好きな時に手に取ってご覧頂けますし、本人が「何回も観て欲しい。ストップしたり、繰り返したり、そうやって僕の映画は細かく観て頂けると嬉しい」と申していました通り何度も観て頂くのに適した作りになっており、また一人の映画監督30年の変遷を辿る事も出来るかと思いますので、皆様にブルーレイボックスをお手にして頂ければ誠に嬉しい限りです。
森田作品は数も多く、多数の映画会社で作らせていただいた為、各社担当者の方々と長きに渡り、ここに書ききれない苦労を重ねてやっと発売に漕ぎ着けました。
ほぼ全ての作品を新たに作成した為高価な物になってしまい、(また「コンプリートの・ようなもの」になってしまったのは本当に残念で)申し訳なく思いますが、(それでも発売しよう!と言って下さった)各社の皆様の熱意、森田愛、映画愛に免じてご容赦下さい。

「森田芳光全映画」はキネマ旬報に連載されたライムスター宇多丸さんと私のトークショー収録に加え、現在ご活躍中の多くの監督、俳優、脚本家、アーチスト、作家、文筆家の方々にご寄稿頂き、森田の映画や人生そのもの、その折々や未来の社会に関する考え方、またご執筆陣の鋭い、ものを作り出す方ならではの個性的な視点により、映画の観方を再発見することの出来る大変充実の内容になりました。

「去る者日々に疎し」と言いますが、森田芳光が生涯をかけて作り上げた映画の数々や彼の存在が過去に埋もれてしまわないこと、皆様が楽しんで頂けますことを心より祈念しておりますそしてこれを機に過去の沢山の優れた映画監督の作品を皆様が観やすい環境が整うこと、ディスク化、デジタル化されていない沢山の日本映画の道が開けるほんの少しの手助けになれば、これ以上の喜びはありません。

2021.6.10