概要・解説

ビリヤード:競技の概要

1.ビリヤードの概要

ビリヤードは、洗練されたテーブルゲームで、優れた技術と戦略が結びついた競技です。

この競技は、キューボールと呼ばれる
小さな球を専用の長方形のテーブル上で
プレイすることを主要な特徴としています。

ビリヤードは、その独特な魅力、戦略、そして競技的な要素から世界中で愛され、

多くのプレイヤーにとっては楽しみながら
洞察力を養う素晴らしい趣味となっています。

2.ビリヤードの歴史と起源

ビリヤードは、その歴史の古さと
洗練されたプレイで知られる
魅力的な競技です。

このセクションでは、ビリヤードの起源と
歴史に焦点を当て、この競技の
興味深い経緯について詳しく説明します。

2-1.ビリヤードの初期の起源

ビリヤードの起源については
複数の説が存在しますが、
最も広く受け入れられている説の一つは、
ビリヤードが16世紀のヨーロッパで誕生した
というものです。

特にフランスとイギリスがビリヤードの発展に大きく貢献しました。

初期のビリヤードは、壁に穴を掘った
テーブル上で行われ、ボールを特別な
スティックを使ってポケットに入れる
ゲームとして始まりました。

この形式は当初、王室や貴族階級の間で
娯楽として楽しまれ、
次第に一般の人々に広まっていきました。

2-2.ビリヤードの進化と新しいルール

ビリヤードの進化には、
テーブルのデザインやルールの変更が
含まれています。

初期のテーブルは比較的シンプルで、
ポケットは壁に穴を掘ったものでした。

しかし、時が経つにつれて
テーブルは洗練され、
クッションが導入され、
ポケットのデザインも改良されました。

17世紀になると、ビリヤードのルールが
統一され始めました。

最初のビリヤードのルール書が
イギリスで出版され、これがビリヤードの
普及に寄与しました。

この段階で、ビリヤードはポケットに
特定のボールを入れることを
目指す競技として確立されました。

2-3.ビリヤードのバリエーションとスヌーカーの登場

ビリヤードはその後、
様々なバリエーションを生み出しました。

この中で最も有名なのが
「スヌーカー」です。

スヌーカーは19世紀にイギリスで誕生し、
初期のスヌーカーはプールやカロムよりも
複雑なルールを持つゲームでした。

スヌーカーは22個のボールを使用し、
プレイヤーは赤いボールとカラーボールを
交互にポケットに入れることを目指します。

この形式は精密な戦術とテクニックを
要求し、スヌーカーは国際的な競技として
高く評価され、多くのプロプレイヤーを
輩出しました。

2-4.ビリヤードの現代と普及

ビリヤードは現代でも世界中で
愛されており、多くの国で
プレイされています。

国際ビリヤード連盟(World Pool-Billiard Association)などの団体が設立され、
ビリヤードの普及と発展を支援しています。

日本でもビリヤードは非常に人気が高く、
多くのプロプレイヤーが国内外の大会で
活躍しています。

その美しいテーブル、戦略的な要素、
そして緻密な技術により、
ビリヤードは競技としてだけでなく、
楽しい趣味としても世界中で魅力的な
存在となっています。

3.ビリヤードの設備・道具

このセクションでは、ビリヤードで
使用される主要な道具に焦点を当て、
それぞれの役割と特徴について
詳しく解説します。

3-1.ビリヤードテーブル

ビリヤードの中心となる要素の一つが
ビリヤードテーブルです。

ビリヤードテーブルは、緑色のフェルトで
覆われ、平らで滑らかなプレイ面を
提供します。

このフェルトの表面は「クロス」として
知られ、ショット時にボールをスムーズに
動かすのに役立ちます。

テーブルのサイズは様々で、
一般的なビリヤードテーブルには
7フィート、8フィート、9フィートなどの
異なるサイズがあります。

プレイヤーのスキルやスペースに合わせて
選ぶことができます。

また、テーブル上にはポケットが
設けられており、ボールをポケットに
入れることがビリヤードの
主要な目的の一つです。

3-2.ビリヤードボール

ボールは、一般的に硬質プラスチックで
できており、直径57.1mm、
重さは約170gが標準的です。

大きく分けて手玉と的玉の2種類があり、
それぞれ下記のように使用されます。

手玉

プレイヤーがキューで撞く球を
手球又はキューボール (cue ball) と呼びます。

手球の色は競技によって異なりますが、
概ね白やクリーム色をしています。

基調は無地ですが、ポケット競技で使われる
手球には、赤または青で丸印、三角印、
あるいはブランドマークなどが
描かれている場合があります。

また、競技を観戦している視聴者にも
手球の回転が理解できるように
大きめのドット(点)を描いた
「ドットボール」もよく利用されています。

的玉

手球を転がして狙い当てようとするボールを
的球オブジェクト・ボール(object ball)と
呼びます。

的球は手球と区別しやすいように、
手球とは異なる色に着色されています。

白色の手球に対して様々な色に
着色されていることから、
カラーボールと呼ぶこともあります。

ポケット競技で使われる的球には通常、
表裏の対極となる2箇所に1から15までの
番号が描かれていますが、キャロム競技や
スヌーカーで使用される的球には
番号は描かれていません。

3-3.キュー

キュースティック、または「キュー」と
呼ばれるものは、ビリヤードを
プレイするための重要な道具の一つです。

キューは通常、長くて細い棒状の道具で、
先端にキューボールを打つための
Tipと呼ばれるパーツがついています。

キューの長さ、重さ、形状は様々で、
大会などでは重さや長さが制限される場合があります。

例えば、日本ビリヤード協会のルールでは、
長さが40インチ以上、重さが25オンス以下、Tipの直径が14㎜以下という規定があります。

また、キューは大抵の場合、
持ち運びができるよう真ん中から
2本に分かれるようになっています。

真ん中から先の部分をシャフト
柄の部分をバットと呼び、
継ぎ目の部分をジョイントと呼びます。

シャフトにはノーマルシャフトと
ハイテクシャフトの2種類があり、
最近のプロ選手はほとんどがカーボン製の
ハイテクシャフトを使用しています。

3-4.その他の補助的な道具

チョーク

チョークは、Tipと手球が滑るのを防ぎ、
手玉に意図した回転を与えるために
必要な道具です。

十九世紀初頭、イギリス・ロンドンで、
バス・ビリヤードの主任ジャック・カーは

ショットミスを防ぐためにキュー先に
チョークの粉を付けることを
考え出しました。

この発明によって、ビリヤードの戦略的な
競技性が飛躍的に向上し、現代ビリヤードの
基礎が確立したと言っても
過言ではないでしょう。

ラック

ビリヤードのゲームが始まる前に、
ボールを定められた位置に適切に
整列させる道具をラックと呼びます。

ラックは、ボールを特定のパターンで
整列させるための三角形の木枠の事ですが、

最近は樹脂製の薄いラックシートを用いて、ラックシートの上に的玉を配置して
ゲームを開始するのが
一般化しつつあります。

4.ビリヤードの競技の種類とルール

ビリヤードは多くの異なる競技が存在し、
各競技には独自のルールと
戦術が備わっています。

このセクションでは、主要なビリヤードの
競技とそれらのルールについて
詳しく紹介します。

4-1.プール(Pool)

プールは、ビリヤードの中でも
最も一般的な競技の一つで、
多くのバリエーションが存在します。

プールの基本的な目的は、
ボールをポケットに沈めることですが、
異なるプールのバリエーションには
異なるルールがあります。

以下に、いくつかの主要なプールの
バリエーションを紹介します。

8ボール(Eight-Ball)

8ボールは最もポピュラーなプールゲームの
一つで、プレイヤーは1から15までの
ボールとを使用します。

2人のプレイヤーが、一方は数字の小さい方(1番から7番のソリッドボール、即ち一色に塗られたボール)を、

もう一方は数字の大きい方(9番から15番のストライプボール、即ち一周する線が描かれたボール)を自らが狙う的球と決め、

的玉を落としていきます。ナインボールとは異なり、番号順に狙う必要はありません。

自分の的玉をすべて落とし、8ボールを
コールショットで落とした方が
勝ちとなります。

9ボール(Nine-Ball)

9ボールでは、プレイヤーは1から9までの
ボールを使います。

プレイヤーはできるだけ早く9ボールを
ポケットに入れることを目指します。

手玉を盤上にある一番小さな番号の的玉に
当てることだけがルールで、先に9ボールを
ポケットした方が勝ちとなります。

10ボール(Ten-Ball)

10ボールは比較的新しい
プールのバリエーションで、
1から10までのボールを使用します。

10ボールは、最近プロの大会で
主流になりつつある競技です。

基本的なルールや進め方は
9ボールと同じですが、
コールショットが採用されています。
(同時に複数のボールはコールできません)

コールショットは、すべての的球を狙った(指定した)ポケットに落とさなければ
なりません。

10ボールでは、コールした的球が落ちずに
コールしていない他の的球が落ちた場合は
常にオプションとなります。

4-2.カロム(Carom)

カロムはビリヤードのバリエーションで、
ポケットを持たないテーブルで
プレイされます。

この競技の目的は、自分のボールと
相手のボールを特定の方法で
接触させることです。

カロムには様々なルールがあり、
プレイヤーは正確なショットと
戦術を駆使して得点を競います。

主な競技に、3クッションや四つ玉などが
あります。

4-3.スヌーカー(Snooler)

スヌーカーは、特にイギリスで
非常に人気が高い競技です。

22のボールを使用し、プレイヤーは
赤いボールとカラーボールを交互に
ポケットに入れることを目指します。

以下はスヌーカーの基本的なルールの
要点です。

  • ポイント獲得: プレイヤーは赤いボールを
    ポケットに入れるとポイントを獲得し、
    その後カラーボールを入れることも
    できます。 各カラーボールには異なる
    ポイントが設定されています。
  • ファウル: スヌーカーではファウルが
    重要な要素です。ファウルを犯すと、
    相手プレイヤーにポイントを
    獲得させることになります。
  • フレーム(Frame): スヌーカーは通常、
    フレームと呼ばれる単位でプ
    レイされます。フレームごとに
    ポイントを競い、最終的により多くの
    フレームを制したプレイヤーが
    勝者となります。

4-4.その他の競技

ビリヤードにはこれ以外にも
多くの競技が存在し、国や地域によって
異なるバリエーションが
プレイされています。

例えば、キャロムビリヤード、
英国ビリヤード、アメリカンビリヤード、
および日本のローカルな競技などが
含まれます。

各競技のルールや目的は異なり、
プレイヤーに異なるスキルと戦術を
要求します。

ビリヤードの競技の種類は、
多様性と洗練された戦略の魅力を提供し、
プレイヤーに様々な楽しみをもたらします。

まとめ

ビリヤードの競技は、技術と戦略、
そして洞察力が結びついた美しい競技です。

プール、カロム、スヌーカーを含む
競技の多様性は、

ビリヤードを楽しむための
さまざまな選択肢を提供し、
プレイヤーに無限の魅力を
もたらしています。

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